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PAPS メルマガ vol.031 無権利状態におかれている出演女性~被害者支援活動からみえてきた実態

May 17, 2015

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●●ポルノ被害と女性・子どもの人権プロジェクト メールマガジン

vol.031  2015年5月17日 発行

 

【ポルノ被害と性暴力を考える会】http://paps-jp.org

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無権利状態におかれている出演女性~被害者支援活動からみえてきた実態

アダルトビデオ(AV)に出演した女性たちから、本会に対して多くの被害相談が届いており、本会は被害者の支援にあたってきました。

 

支援活動の中から、AVに出演した女性たちが、一定額の出演料を受け取る以外は、一切無権利状態におかれ、そうすることでAVメーカーとプロダクションが巨万の富を得ている搾取構造がみえてきました。簡単にその問題点をお伝えしたいと思います。

 

1.AV業界は、サイバー・ポルノ(インターネット上のポルノ)の大普及により、常に新たな若い女性をAVに主演させねばならず、その気のない女性を、虚言・甘言・脅し・すかしを使って確保しています。そのさい、かれらは、複数の業者で役割分担し、責任の所在を分散させて、女性を惑わします。

 

まずは、女性を虚言・甘言を用いてスカウトし、「専属モデル」として囲う「(モデル)プロダクション」という会社が存在します。そして、プロダクションが派遣した女性を使って、実際にAVを制作・撮影・製造し、販売する「制作会社(メーカー)」が存在します。

 

2.「プロダクション」と「メーカー」の存在自体は既知の事柄でしたが、実際には、プロダクションがさらに二重構造になっている場合があります。まず、女性をスカウトし「専属モデル」として囲い込む第一プロダクション。第一プロダクションとの専属モデル契約には、AV出演が含まれていない場合もあります。しかし、第一プロダクションは、女性とAV出演契約を結ぶことを目的とした第二のプロダクションとグルになっており、たとえば別室に第二プロダクション関係者が控えており、その場でAV出演契約締結を再び虚言・甘言を弄して説得します。あるいは、第一プロダクションは、即座に「パンチラ」撮影や宣伝用ヌード写真撮影などを半ば強要することで、女性が第二プロダクションとAV出演を同意するための先鞭をつけたりします。

 

3.さて、そのようにしてAV出演を「説得」された女性は、プロダクション・制作会社と複数の契約書を取り交わすことになります。

 

契約書には、女性がいったん業者と出演契約を交わした後で翻意し出演を拒否したり、出演した後で公開・販売を拒否したりすると、「違約金」を支払わねばならないことが明記されています。違約金の額は契約書に明示されませんが、ただ契約を交わしただけで撮影を行なっていなくても数百万円、撮影を数本行なっていると一千万円を超える金銭が要求されることが珍しくありません。この違約金制度が、契約を十分に納得せずに交わしてしまった女性たちを、がんじがらめにしており、泣く泣く撮影に応じたり、「作品」の販売に応じたりすることを余儀なくしされています。

 

また、違約金の規定以外にも、出演したAVに関する一切の権利(著作権など)を永久に放棄することが含まれています。これにより、業者が最初の「作品」を二次使用、三次使用しても、出演女性は最初の出演料以外何の報酬も得ることができません。さらに、撮影は本当の性交を前提にしていますので、女性は常に妊娠、性病感染の危険にさらされます。しかし、防止や予防の義務は女性に課せられ、制作現場を牛耳るメーカーは責任を取らない内容になっています。

 

4.自らがいわば「主役」として出演した「作品」に対して、およそ一切の権利を放棄し、逆にあらゆる不利な義務を負う、というような契約を、「AV」女優ではない「一般」の女優・俳優が負うことはありえるでしょうか? こんなひどい契約がほかの俳優業でまかり通っているとはおよそ考えられませんが、この点は、一般俳優の場合と比較する必要があります。いずれにせよ、こうした契約は、法の一般原則である「信義則」(民法2条)や「公序良俗」(民法90条)に反するのではないか、と思われます。

 

5.さらに興味深いことは、プロダクションと制作会社の関係です。プロダクションは、制作会社が安心してAVを制作・撮影・販売し収益を上げられるように、女性の管理を一手に引き受けます。女性の管理には、「苦情、紛争解決」から、女性が放棄させられた権利を実際に行使しないようにすることまで含まれます。

 

他方で、制作会社は、最初に「出演料」をプロダクションに支払ってしまえば(プロダクションはそこから女性へのギャラを支払います)、出演作そのものはもとより、その二次・三次利用から生じるあらゆる利益をほぼ独占することが保証されています。日本のAV作品はグローバル市場で取引きされますので、莫大な利益を生みます。そのすべてを制作会社は懐に納めるのです。

 

6.このように若い女性を食いものにするポルノ業界の実態や、女性の無権利状態は、明らかに不当なものです。しかし、ポルノ業界のあり方や出演女性の無権利状態を改善し、「よりよいポルノ業界」を求めればすむ、という問題ではありません。

 

そもそも、女性の身体を性的に使用する権利を買い取って、AVを制作・撮影する行為そのものが、女性の基本的人権を侵害し違法である、つまりAV制作のための契約そのものが違法無効である、と思います。そのような主張を可能にする人権論を開拓し、社会的に確立することが最終的な課題です。

  

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