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メルマガvol.140「ぱっぷすの相談現場から~最近のAVに関わる相談状況、『デジタル性暴力』の持つ特質性について」

日頃からぱっぷすの活動に関心を寄せて頂き、ご支援を賜りまして誠にありがとうございます。

今回は、ぱっぷすの相談現場から、最近のAVに関わる相談の状況と「デジタル性暴力」の持つ特質性についてお話したいと思います。


ぱっぷすに寄せられるAVの相談について

ここ1~2年の間で急増したセクストーションの相談は今年に入ってからは既に236件(4/20時点)の相談が寄せられており、相変わらず多い状況ではありますが、AVの相談も継続的に寄せられており、今年に入ってから33件、4月だけで11件ありました(4/20時点)。この意味することは、AVに出演することによって困っている人が確実に存在しているということです。

「仕方がなく」「他に選択肢がなく」「強要されて」というわけではなく、「自分がAVに出ることが好きでやっている」という方もいるかもしれません。

ですが、AVによって困っていて相談を寄せて下さった方が一人でもいるということは、紛れもない事実で、その相談者の困っていることに寄り添い、どうすればいいか一緒に考えてきましたし、これからもそうしていきたいとの思いから活動を継続しています。


他の性暴力と異なる特質を持つ“デジタル性暴力”

性的映像の特殊性は、自己の究極のプライバシーを写したものであるにもかかわらず、その映像が自分の手から離れ他者の手に渡ったとたんに「性的同意」の自由がなくなり、意思表明や抵抗するすべもなく他者によって自由自在な扱いが可能になることです。自分の身体のことであるのに、自分の意志によって写真や動画のコントロールがきかなくなることが、「デジタル性暴力」です。


私たちに届くAVの相談で、圧倒的に多いのが「身バレして(しそうで)困っているから削除したい」です。デジタル性暴力の被害を訴える相談者にとって、自分の性的な写真が自分の同意していないところで拡散し、消費されていることが“今、最も困っていること”なのです。

デジタル性暴力が他の性暴力と異なる重要なポイントを2つご説明します。


①ネット上で無限に被害が再生産される。

例えば、自分の性的な写真を要求され、相手に送ってしまったとします。

・「本当は送ることは嫌だったけれども断れなかった」「脅されて送ってしまった」といった場合、そこに性的同意はありません(暴力1)。

・写真を受け取った相手はその写真を好きな時にいつでも「自分の同意なく」見ることができてしまいます(暴力2)

・更に、その写真を周りに拡散されたり、ネット上にあげられたりすれば、また他の人によって「自分の同意なく」写真を見られます(暴力3)

このように、性的な写真が同意なく他人の手に渡ることで、何重もの暴力の被害に遭い続けることになり、ネット上に残り続ける限りその暴力は繰り返されます。


②自分の性的な映像を相手に見せることになるため、相談がしにくい

私たちは何か困ったことがあるとき、誰かに相談をすることがあります。信頼できる友人、家族や、専門機関、警察などに相談するかもしれません。ところが、デジタル性暴力の場合、相談した相手に、自分の性的な映像を見せる必要が出てくるかもしれません。それが大きな壁となり、相談がしにくいといった場合があります。


③声をあげることで、検索されてしまうかもしれない。

AVの場合、女優名やキーワードを入力すれば簡単に映像にアクセスできてしまいます。このことから、被害にあったり、困っていることがあっても、声を上げにくかったり、誰かに相談しづらいということがあります。


ただでさえ相談し辛い性暴力の被害ですが、これらの理由から「デジタル性暴力」については特に表に出にくい被害、問題ではないかと考えています。

昨年度は合計1867件の相談がありましたが、1867人にもの相談者がどれだけの思いで、どれだけ勇気を出して私たちに連絡してくださっただろうと想像します。

私たちは相談者一人一人がSOSを出してくれたことにまずは感謝をし、一人一人の抱える問題に寄り添いたいと思っています。


~最近あった嬉しかったこと~

業界への興味と生活費のためにAVに出演しようと決めて応募した相談者のケースです。出業界関係者から丁寧な対応を受け、良くしてもらったけれども、報酬が出演することのリスクに見合わないと悩んで、迷って、撮影直前に私たちにご連絡してくださいました。

私たちから、業界側は被害を受けずに成功する可能性だけを主張すること、第三者は誰もあなたの人生を代わっては生きてくれないこと、だから彼らに遠慮することなく自分の意志を通していいのだということをお伝えしました。その数日後に再びご連絡があり、出演を辞退することができたとのことでした。相談者が自分の意志で決断できたことをとても嬉しく思いました。(相談員A)


<ご寄付のお願い>

「デジタル性暴力」に特化して相談を受けている団体は、国内でぱっぷすだけではないかと思います。相談件数は、右肩上がりに増えている状況です。この相談しにくい、声をあげにくい被害について、相談者が孤立してしまわないよう、相談がある限り私たちは相談窓口を運営し続けていく必要があると考えます。そのためには、皆様のあたたかいご支援が不可欠です。どうか、この問題を広めて頂くと同時に、ご寄付でのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。


こちらからお申し込みください>


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