設立のきっかけ

本会の設立のきっかけとなったのは、2008年に、子ども向けの良書を出してきたことで有名な理論社という出版社から、「よりみちパン!セ」シリーズの一環として、きわめて暴力的なアダルトビデオ(AV)制作者として著名な人物バクシーシ山下を執筆者にして、青少年向けに性について語らせる著作『ひとはみな、ハダカになる。』が出版されたことです。このことに対して、婦人保護施設の現場からの抗議の声が上がりました(資料1)。この事件をきっかけとして、これは単に一出版社の無思慮な行為の問題ではなく、社会全般に蔓延している女性や子どもへの性暴力を容認ないし軽視している社会のあり方の問題であるとの認識に至りました。

 抗議運動の中心になった婦人保護施設には、DVや性産業、性暴力に巻き込まれて生活を破壊された女性たちが生活の再建を求めて集まってきています。現場の職員たちはこれらの女性たちが直面している現実をつぶさに見ているため、被害を生み出さないために社会への啓発の必要性を強く実感していました。そうした中で起きた理論社問題は単なる一出版社の問題ではないことが、危機感を持って感じられたのです。理論社に対する抗議の署名運動(2008年9月~12月)を婦人保護施設の有志を中心に行ない、全国から1万筆の署名を集めました。署名には、女性福祉の関係者はもとより、児童養護施設、知的障害者施設からの協力も多かったことが一つの特徴でした。そうした施設にもポルノ、性売買、性暴力の被害者が少なからず集まっていたからです。(資料2

 こうした福祉施設の現場で支援に当たっている人々にプラスして、これまでポルノ被害の問題や児童ポルノの問題に取り組んできた研究者、市民活動家、その他の有志が集まって、2009年5月1日に「ポルノ被害と性暴力を考える会」を発足させました。(なお、現在、理論社は経営陣を一新させており、バクシーシ山下の著作に関しては旧理論社と根本的に立場を異にしています)

(C)特定非営利活動法人​ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)

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