デリヘルで宣伝文句にされる知的障害のある女性~性風俗にいる障害女性 後編~
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メルマガvol.97 デリヘルで宣伝文句にされる知的障害のある女性~性風俗にいる障害女性 後編~





前回のメルマガに引き続き、知的障害がある女性を雇用している風俗店について。ぱっぷすに「当事者の親として、このことに、強い怒りを感じています」とお電話を下さった女性の言葉を紹介します。


その方は、障害がある娘を持つお母さんで、性教育に関わっていたとの事です。障害があることで「どうせ理解できないから」と尊厳を軽んじる事への怒り、さらにはそうした女性が風俗に行き着く事を「自己決定」などと流布する言説への強い憤りを、ぱっぷすに届けて下さいました。


その方の言葉を、ご本人の了承を得た上でご紹介させて頂きます。

 

デリヘルの障害女性に関する投稿をみて連絡しました。自分は肢体不自由で全介助の娘の親です。娘は20代で、知能は3歳前後。施設で生活しています。

娘には、過去に、高齢の男性たちからいやらしいことを言われても、相手にされていることが嬉しくて笑ってしまうというような場面がありました。娘にはなるべく地域で学ばせてあげたいという気持ちでこれまでやってきたが、そうした性的にからかわれるような事もあるので「配慮して欲しい」と地域コーディネーターには伝えています。

娘には、自分の望む服、20代らしい服を着せてあげたいんです。地味な服を着せると嫌がるし、食事も何も自分では出来ない彼女に、出来るだけやりたいことはさせてあげたいと思って、本人の望むピンクの服など可愛い服を着させています。そんな中、娘の施設の職員からある日、 「足の露出が多いので、他の男の人の目があるので・・・」 と言われました。その日娘には、膝が見えるくらいの半ズボンと靴下をはかせていましたが、その言葉を聞いて、娘に何かあったのではと背筋が凍りました。

障害のある男性利用者の中には、ストップが利かず、女性の身体を触ってしまう人もいます。又、施設の職員でも、障害がある女性を性的な目で見るような人も、これまで見てきました。直ぐに施設関係者にこの話をして、娘の身に何かあったのか、とにかく事実確認をしてほしいと伝えました。障害のある子を持つ他の親では 「うちの施設は男性が多いので、そう言った服は着せないで」 と職員から言われたことがある親もいました。障害児はかわいい服着ちゃいけないのでしょうか。韓国の女性たちは戦時中、日本軍兵士から性暴力をされないように、汚い格好をし、髪をベリーショートにしましたよね、それでもレイプされました。 どんな格好をしようと性暴力をする人はするし、加害者が悪いはず。でも世間は何かあった時に「障害児の娘にそんな格好をさせる親が悪い」となるのでしょう。そんなセカンドレイプおかしいですし、これは人権問題ですよね。軍国主義じゃあるまいし、服装を強制されるなんて。ましてや、施設の関係者たちがレイプ神話を信じるような意識では困ります。 養護学校職員が障害児に対して性的にからかっている場面に遭遇した事もあります。けんちゃんという8歳の障害児に対して、職員が、「洗濯屋ケンちゃん知ってるか」などと、本人が理解できないのをいいことに、当時話題になったポルノビデオに絡めてからかっていたことがありました。これは、性暴力でもあるけれど、障害児に対する虐待ですよ。


性風俗産業にいる障害者に関して、学会などの場にも登壇しているある女性が言った言葉はあまりにもひどかったので覚えています。 「障害のある子が、風俗では生きがいを持って働いている」 まるで自己決定みたいに言っているんですよね。男にちやほやされたりしたら、うちの子だって喜びますよ。「可愛い」なんて言われるの、大好きですよ。そこそこ性格が良くて、そこそこかわいくて、相手にしてもらえたら嬉しい。そんな知的障害の女の子、ざらにいます。 そんな言説を振りまいている、人権を立て看板にしている言説は、悪人よりもある意味たちが悪い。罪深いですよ。知的障がいの子に対して、そうした性産業の中に閉じ込めた上で、「そこが生きがいになっている」だなんて、そんなメッセージ、口が裂けても言わせてはいけないです。

娘の小枝のような細い足、それをいやらしい目で見るような人がいること、娘がバカにされていること、親としては、自分が死んだ後のことなども考えると恐ろしい気持ちです。この会話を、ぱっぷすのSNSで紹介してもらって構わないから、当事者の親が怒っていると、ぱっぷすから世間に伝えてください。話を聞いてくれて、ありがとうございました。」

 

ぱっぷすにはいろいろな方がいろいろな意見を寄せて下さいます。でも、障害のある女性の親御さんからの意見は初めてです。


親御さんの発言だから障害当事者の代弁をしているとは限りません。親御さんは当人ではないからからです。しかしながらもっとも当人のそばにいて注意深く見守っていることもまた事実で、その方の発言を真摯に受け止めたいと思います。

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