メルマガvol.96 デリヘルで宣伝文句にされる知的障害のある女性~性風俗にいる障害女性 前編~
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メルマガvol.96 デリヘルで宣伝文句にされる知的障害のある女性~性風俗にいる障害女性 前編~





 ぱっぷすでは、性風俗やアダルトビデオの撮影現場で「知的障害がある女性たち」

が搾取されている惨状について、以前から問題意識を持っていました。しかし、ストレートにその問題に近くづくことができなくて悩んでいます。


2020年7月初旬、Twitter上で話題になっていて、知的障害のある女性を雇用している風俗店を見つけたが法的な問題はないのかという第三者通報が寄せられました。さっそく開いてみたところ、以下のような文面が目に飛び込んできました。

養護学校出身の知的障碍者【〇〇ちゃん】

バイトに初挑戦!!障碍者手帳持ちの女の子ですが意思の疎通はできます!だたちょっと(というかかなり)お話した感じは幼いです。天然中の天然です!笑 バイトというもの自体初めてで緊張しているとは言いますが、そんな感じはなくニコニコと天真爛漫で明るいです!プレイに関しても何でもアリ!NGなことは何にもありません!
知的障害で理解出来ないことも多いとは思いますが、かなり従順で常にニコニコ 人と過ごすことが大好きみたいです♪* あなた色に染めちゃってくださいませ☆ 

 2020.7.10の夕方、ぱっぷすのツイッターで以下のようにつぶやいてみました。

 7月20日12時35分現在、このツイートに対して、インプレッション数171,413件、リツイート1,328件、いいね3407件の反応がありました。ぱっぷすのツイートの中ではとてもいい反響です。ぱっぷすのツイートを見た方たちは呆れています。

『私も発達障害があり、風俗嬢とAV女優として働かせて頂いていますが、知的障害の方々(女の子)を搾取するデリヘルはありえないですね。』

『グラビアアイドルタレント業界・性風俗店業界・AV業界そのものは、性的暴力・性的犯罪を実際に助長させている部分もあるわけだし、この日本には絶対にあってはならない、一切不必要な業界であると言わざるを得ない。』


このデリヘル店に本当に知的障害者対応の療育手帳をお持ちの方が勤めているのかどうか。真偽のほどはは分かりませんが、従順で客の要望には徹底的に応えることをウリにする女性が商品になっているのは店の宣伝文句からも推測できます。 知的障害の程度を測る療育手帳を持っていれば商品の“品質保証”になるというわけです。この店では以下のようなことも宣伝しています。


「当店は(女性に対して)講習は行っていない。」
「お客さまがイチから教えてあげてください」

と謳います。自分好みのオンナに仕立てあげるのは客次第、が基本のウリ文句で、障害のあるなしは関係ないことになります。とは言え、重い知的障害の女性の方が客にとっては扱いやすいだろうという前提に立ちますから、とんでもない差別に立脚する“商品”の開発です。ちなみに、このデリヘルの商法は日本国憲法はもとより障害者権利条約や障害者差別解消法の理念に違反しています。


 さて、実際に客が付いた時、このお店ではどのようなことが展開されるのでしょうか?

NGな事は何もない。つまりNOと言ってはいけないと刷り込まれた女性は四角四面に“従順”に応じるでしょう。有名教授である某社会評論家、かってはAV監督だった人が、AVで現役時代に、知的障害のある女性に尿や大便を口にすることを指示し、彼女は何でもしたと非公式な場面で伝えています。


 店の考えているプレイ内容となんでもありの範囲と客の考える範囲はほぼ一致するでしょう。しかし、女性のそれと一致するとは限りません。そもそも女性がその行為の内容を理解しているとは限らないのです。(“プレイ”って言葉もヤダね)


 例えば、ぱっぷすの相談例では、AVを撮る前に、NG行為の確認がなされますが、NG項目リストに書かれている行為のそれぞれがなんのことだか分からなかったという証言もありますし、風俗店勤務のある女性の相談では、講習で“スマタして”といわれても何のことだか分からななかったという話もあります。


 しかし、問題は彼女の認識と客の認識がずれていたにしても、そんなことは全く関係なく、「お客様、ぜひイチから教えてあげてくださいませ!」と書いてあるように、きっと客の「何でもアリ」にあわせるだろうことです。 お店の言い分は、多分、「いやいや、『お客様、ぜひイチから教えてあげてくださいませ!』と書いているのはたんに『何も分からない子にイチから教えてあげる』というファンタジーを演出するための売り文句として書いてあるだけ」ということでしょう。

 現実には、きっとその客のファンタジーを壊すことがないように、客に「何はNGで、何

はしていい範囲」のリストを提示するわけではないのでしょう。これでは、女性の心身の安全を守り、女性の人間としての尊厳を守ることなどできません。そのような業態が確実に存在している。なんの社会的対策も講じなくてもいいとは言えません。

「性風俗にいる障害女性 後編」では、重度の障がいを持つ女性について母親の立場からぱっぷすに寄せて下さった切実な声を紹介しています

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