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AV出演強要と淫行勧誘罪、救済する道が開かれた(PAPS メルマガ vol.56 )

January 20, 2018

2017年01月21日発行 (No56) |  本日1月19日、朝日新聞のウェブ版で、東京都内にあるAV制作会社社長と、同じく都内で営業していた芸能プロダクションの元営業部長が、「淫行勧誘罪」によって逮捕されたと報道されました。 AV出演強要で制作会社社長ら2人逮捕 淫行勧誘容疑

                                                           

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2017年01月21日発行 (No56)

 本日1月19日、朝日新聞のウェブ版で、東京都内にあるAV制作会社社長と、同じく都内で営業していた芸能プロダクションの元営業部長が、「淫行勧誘罪」によって逮捕されたと報道されました。

 

AV出演強要で制作会社社長ら2人逮捕 淫行勧誘容疑https://www.asahi.com/articles/ASL1M323JL1MUTIL002.html

AV出演強要、淫行勧誘罪を適用「摘発の道、開けた」https://www.asahi.com/articles/ASL1L6KSWL1LUTIL045.html

 

 記事によると、社長らはAV 出演経験のない女性に対して、「あなたのプロフィル写真を撮影するのにいくら金がかかっていると思っているのか」などと脅迫して、AV出演を繰り返し拒んだ女性を無理やり出演させたとのことですが、これは私たちの支援スタッフもよく耳にし、また問題であると訴えてきたAV出演強要のよくある手口です。私たちの会では、支援を求めてきた女性が成人であった場合は、望まない妊娠や性病感染のリスクの高い行為に従事させることから、労働者派遣法違反(有害業務就労目的派遣)などを基にして法的支援を行ってきました。ですが今回警察が逮捕の根拠とした「淫行勧誘罪」は、なんと1947年に逮捕事案があるという、ほぼ死文化していた法律でした。

 

「淫行勧誘罪」とは以下のような内容です:

第百八十二条 営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦(かん)淫させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 

 罰金の金額が低すぎる点や、被害者の性別が限定されていること、「淫行」の常習の有無を問うなど、この法自体に改善の余地があることは明らかですが、しかしそうであっても、長年救済されることのなかった多くの女性たちに力を与えるものであると言えるでしょう。

 

 このような法文のホコリを払って持ち出してきたことに、AV出演強要の被害救済について警察が真剣に取り組んだことを感じます。今回の逮捕を恣意的な犯罪要件の拡大適用だとみなして反対する意見はあるでしょうが、問題の本質はそこではないと考えます。現実の被害者が存在し、そして潜在的に同種の被害者がたくさんいるときに、そしてその被害を捕捉し救済しうるような新しい法律がまだ当分できそうにない段階で、どのようにして現実の、そして無数の潜在的被害者を不十分ながら救済し、加害者を罰し、さらなる犯罪を抑止するのか、です。

 

 ポルノ被害の防止策、特に法規制や罰則について議論すると、必ずと言っていいほど法の恣意的な解釈によって不当逮捕が行われ得ると言われます。しかし、ポルノ被害防止法が存在しない現時点では、既存の法を「誰の」ために、「何の」ために用いたかに注目するべきではないでしょうか。被害者を救済するために用いられたのならばそれは「正しい」法の運用であり、逆に加害者を助けたのならばそれは「不正な」法の運用であると言えると思います。

 

 今回の警視庁の判断は、過去AVに出演したことのない女性限定ではありますが、出演強要被害者を救済する道を開いたものとして積極的に評価し、それと同時に、警察による取り調べの可視化と、より現実に即したポルノ被害防止法の制定を進めていくのが望ましいと考えます。
 

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