先月、若者を中心に人気沸騰中のアプリTikTokについて、インドの裁判所が政府にダウンロードを禁止するよう命じました。
しかし、禁止は2週間程ですぐに解除され、また多くの人がダウンロードし利用できるようになりました。
TikTokとは撮影した数秒の短い動画を音楽やスタンプなどの加工をして配信、共有する「ショートムービーアプリ」です。
このアプリを通じて知り合った人から脅されて性的な写真や動画を送らされる子どもたちの被害が、日本でも起きています。
TikTokで知り合った女児に裸の画像送らせる 小学教諭を逮捕
https://www.sankei.com/affairs/news/190206/afr1902060053-n1.html
TikTok投稿の女児から裸動画 容疑で自衛官逮捕
https://www.asahi.com/articles/ASM1Y4D7CM1YTLVB002.html
子どもたちのネット被害は、TikTok以外にLINEやTwitter、ミックスチャンネル、ツイキャスなど、
色々な人と交流ができるコミュニティサイトを通じて起こっていて、その数は少なくありません。
スマホ・ネット利用の低年齢化やスマホによる映像の撮影や発信の容易さも被害の大きな理由ですが、
こういったサイトで特に狙われやすいのは、知識が不十分な小学生や、支援学校の生徒、誰かにかまってほしかったり、
リアル(の生活)でうまくいっていなかったりする”寂しい”(思いをしている)子どもたちが多いと聞きます。
私たちの相談窓口にも、LINEやTwitterを通じて知り合った人から性的な写真や動画を要求されたり、
実際にAVを撮影され、配信、拡散されたりした被害の相談があります。
一旦ネット上に拡散された写真や動画を削除することは難しく、被害者は長期にわたって苦しむことになります。
アプリのダウンロードを禁止することで、果たしてどのくらいの子どもたちをネット上の性被害から守ることができるのでしょうか。
特定のアプリを禁止したとしても、加害者はまた別の方法で子どもたちを狙いに行くでしょうし、
また別の方法で子どもたちが加害者と接触する可能性は否定できません。
本当に必要なことは、子どもたちを性的に搾取しようとする加害者側の処罰です。
アカウントの停止や他の被害者を生まないための加害者情報の公開、リスクの啓発など、加害者側の規制や処罰がまだまだ不十分です。
子どもたち自身が自分たちを大切に、守れるようになること、そしてそれを教える場所やおとなを増やしていくことも重要ですが、
子どもを性的に利用しようするおとなを罰する社会をつくることが、今、最も重要ではないでしょうか。
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