《 ぱっぷすの相談活動の最初の一粒 》





 7年前のある日、朝4時半に一通のメールが寄せられました。

「AVに出演させられそうになっています。」

“契約書にハンコも押した、実家の住所も知られてしまっている”ので、逃げられないから助けてくださいとの訴えでした。

 ぱっぷすに直接寄せられた初めてのSOSメールでした。

当時は、相談体制がまったく整っていませんでした。広報活動として「ポルノ被害と女性・子どもの人権」を総合テーマにしたシンポジウムを年に一度開催することがメインの活動だったのです。

ポルノ被害は架空のものではなく現にあるのだと訴え始めて4年目にして初めて寄せられたSOSメールです。

即、救援活動を開始し、当時私たちが持っていた知恵と社会資源を総動員して対応し、このメールの方は一か月ほどでプロダクションの束縛から解放されて本来の学業に戻ることができました。

 ぱっぷすでは最初のこの方の相談例を脚色して、こんなことで困っていたら相談を寄せて下さいと積極的に呼び掛け始めました。

その呼びかけが奏功して、最初にSOSのメールが寄せられた年度の相談件数はたったの2件でしたが、年度を追う毎に、44件、98件と相談を寄せる方たちが倍増していき、今年度はすでに152件(10月25日現在)の相談が寄せられています。最初のメールの方から勘定して900人以上の方たちが相談を寄せています。

相談が次々に寄せられている今日を見るとき、最初にメールを寄せてくださった方の勇気ある行動にはどんなに感謝しても感謝しきれません。

 朝の4時半という時間にメールをしてきたこの方の状況に思いを馳せます。

来月にもAVに出演させられることになっている、自分は絶対に出たくない、どうしたらいいのか分からない、という切羽詰まった事態の中で必死にネット検索したことでしょう。ようやく、ぱっぷすという存在を見つけたけど・・。一体この団体は信用がおけるのだろうか。プロダクションの回し者だったらどうしよう・・。さまざまな不安な思いがかけめぐったことでしょう。AV出演が目前に迫っていることを知った時点からどんなに苦しみ悩んだことでしょう。

ぱっぷすに相談メールを寄せるときどんな気持ちだったのか他の方に聞いたことがあります。その方は、とても迷いに迷ったけど、ぱっぷすに相談する以外の方法が見つからなくて、信頼できるかどうか確信が持てなかったけれど、最後は“賭け”てみることにしたと言っていました。

 この最初のメールの方からぱっぷす版Me Too が始まったのです。

おかげで相談がたくさん寄せられるようになり、AV主演強要という言葉が社会的にも行政的に認知されるようになりました。AVのみならず関連、周辺問題のネットに拡散される性的電磁画像の被害から性風俗関連でおきる性被害など多様な性暴力被害の相談が寄せれています。

私たちはオンライン(デジタル)性暴力の防止のための最初の大きな一歩を歩んでいます!


[内容]:

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どう対処すればいいのか、どこに相談すればいいのか分からずこちらに相談させていただきました。

半年ほど前にスカウトされ、最近所属が決まった事務所に実績作りのためとAV出演させられそうになっています。契約書に判子も押してしまい、実家の連絡先も知られてしまっているため下手に連絡を絶つことや逃げることもできない状況です。

AVに出て両親に迷惑をかけるのも生き恥を晒すのも嫌です。でも、どうすればいいのか分かりません。助けてください。お願いします。




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(C)特定非営利活動法人​ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)

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