メルマガvol.113「性的画像の送信強要被害相手が14歳だと知っているのに? 知っているからこそ?」



 SNS上で未成年の女の子と知りながら、性的な関係を持ちかける男たちがいます。

この1、2年で、女の子の間に急速に広がった性被害です。

ぱっぷすでは、NHKと協力して、SNSで女の子たちに近づく加害者の実態調査を約2ヵ月間行いました。その内容は、11月4日(木)夜10時からの「クローズアップ現代+」として放映されました。

 「14歳の中学3年生の女子生徒で、甘いものが好きな受験生」という架空のツイッターアカウントを作成し、プロフィール欄に中学生で、14歳であることを明記、顔写真は載せずに、まず「友達がほしい」とつぶやいたところ、1分もたたないうちに10人近くからダイレクトメッセージ(個人に直接送るメッセージ)が届きました。

 “下心ありのエロ垢だけど、大丈夫かな?”、“お金に困っていませんか?”

 なかでも、“毎月25日におこづかいという形で支援している”というDMの人とのやり取りは何度も続きました。このやり取りは、裸などの性的な“写真や動画を送っていただき”、支払う金額は“それらで決める”、写真や動画の内容は“僕がリクエスト”するということでした。14歳であることを再三告知しましたが、それでも写真を要求してくるため、金額について質問すると“数百枚送って、高い人だと2万5000円”との回答でした。14歳だと知りながら執拗に連絡をとってくるのです。

 さらには、自称20代男性から、一方的に自らの自慰行為を写した動画を送信してきて「どう?」と感想を求めてくるものもありました。

 極めて悪質な「グルーミング」の手口もありました。

 自称40代の男性は、当初は性的な話はせずに、学校や勉強、家族の話などの日常会話から“受験生なんだね”、“勉強の邪魔にならないかな”など、他愛もないダイレクトメッセージが届くようになりました。例えば学校の先生に怒られたといった設定でつぶやくと、“落ち込まないで”など優しい内容が毎日届くようになりました。

 こういった優しいメールをもらった時、調査チームのスタッフは、他の性的な要求をしてくるたくさんの“悪い人”たちの中で、応援や寄り添ってくれる“良い人”が現れたという印象で、親近感や安心感、ときには感謝の気持ちを抱きました。

 でも、この男性から送られてくる内容はある時から急変します。受験勉強で“ストレスがたまる”と愚痴をこぼすと、男性はストレスを“やわらげる方法”として、性行為や自慰行為を示してきました。性行為は“悪いことではない”“ストレスが解消されるんだよ”と言いながらも、性行為をするためには自慰行為が大切で、自分が教えたいと説いてきたのです。女性器の名称を解説したイラストも送られてきました。“小学生も気分転換になった”と言ってくれたよと、「自慰行為をしないことが悪いかのように感じさせる」ようなメッセージでした。

 当団体に寄せられた実際の相談では自慰行為の様子を相手に送ってしまった中高生の被害相談も複数確認しており、信頼関係を作ってから加害に及ぶケースなど、加害実態も加速度的に巧妙化・先鋭化しているのです。

 また、やり取りの中で性行為を持ちかけてきた男性に実際に会ってみました。これまでにも15歳の少女と性行為に及んだことを自慢してきた30歳前後と思われる男性です。この男性は、事前のダイレクトメッセージでは“互いの同意の上で”あれば“すぐ犯罪行為という訳ではない”、“信号無視とか未成年の飲酒と比べたら悪事ってわけではない”と述べていました。

 待ち合わせた男性に対し、調査チームのスタッフが立場を明かして、これまでの男性とのダイレクトメッセージのやりとりを見せたところ、自分であることを認めながらも、児童買春や児童との性行為については、“真剣な交際かどうかっていうのはよく言われる話で、基本的に1対1の関係だと思う”とダイレクトメッセージで執拗に性行為を持ちかけてきたにも関わらず、児童との対等な関係性や真摯な恋愛が成立するという主張には正直驚きました。調査チームでは本件は犯罪であることを伝えましたが、冷やかしで遊んでいただけだという趣旨の弁明を繰り返し、反省することはありませんでした。


 2ヵ月間の取り組みに参加したぱっぷすスタッフ(26歳女性)の感想をお伝えします。

「すごーく疲れた。はじめは性的な言葉を投げかけられることに嫌悪感があったのに、だんだん慣れて来て、“おはよう~”、“お疲れさま”、“おやすみ~”などに普通の言葉の投げかけに目的が見えなくなってかえって怖くなってしまった自分がいた。さらに、普通のことばに希望を見出そうとしたり、性的な言葉に絶望を感じたり、心のアップダウンが激しくなった。また、誘い込む理屈は狡猾で私たちでさえ混乱したから、普通の女の子だったら簡単に納得してまうのがわかるような気がした。」


 11月4日の放映後、ぱっぷすへの新規相談、特にSNSを介して画像を送信してしまった、どうしたらいいのかという相談が劇的に増えています。

 なお、ぱっぷすが行った実態調査の手法はNHKのリーガルチェックでは問題がないとされていますが、一般的な調査手法としてはまだまだクリアしなければならない問題を含んでおり論議が必要だと認識しています。


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