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PAPSでは、従来、「国際的に広がる性売買」、「被害にあってもSOSを出せない女性たち」等の社会啓発的なテーマを決めてシンポジウムを年1回行ってきました。
昨年末、ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)をNPO法人化し、押し寄せる相談に対応するだけで精一杯の内部事情からシンポジウムを企画する余力がなくなりました。
そこで、シンポジウムのような大きな企画ではなく、日々の私たちの活動の状況をお伝えする活動報告会を定期的に開催していくことにしました。
第1回の活動報告会は2018年10月6日(土曜日)18時30分から、渋谷区男女平等・ダイバーシティセンター<アイリス>で行いました。
2012年からの相談累積数は532件(2018年10月25日現在)になり、そのうち約70%はAVに関する相談で、その他は性風俗店勤務の女性や“パパ活”(援助交際)で誰にも相談できずに困った問題に直面した女子児童、学校で性虐待を受けている男子児童、自撮りした性的な写真や映像のSNS上の拡散などさまざまです。
今年度は月々平均10件の新規相談がありました。加害形態は巧妙かつ先鋭化し、相談者がおかれた環境や人間関係などは人それぞれなので、ほとんどの相談は1回面接すれば解決するというものではありません。そのため、新規相談に合わせて継続している相談をいれると常時150件以上の相談が並行して進行しています。
相談支援活動から見えている実態と私たちの考察は多様ですが、第1回の報告会では、①児童ポルノ・リベンジポルノについて、②アダルトビデオや性産業の中の性搾取と性暴力の二つに絞りました。
報告会の持ち方もたくさんの人を集めるのではなく、少人数でゆっくり質疑応答をしながら理解を深めていこうと企画しましたが、ふたを開けてみてびっくり。最大30人予定のところ、ぱっぷす関係者も合わせて50名になり、なんのことはない小さなシンポジウムのような形になり、これはこれでうれしい誤算でした。この問題に非常に関心を寄せている方が確実にいらっしゃることが分かりました。
二つのテーマについて、直接相談支援にあたっている支援員二人からパワーポイントの画像を駆使してプレゼンテーションを行い、その後質疑に移りました。以下に質疑応答の内容を少し紹介いたします。
《 質疑応答 》
Q:個人で行っている“同人ビデオ”と商業ビデオの違いは何か?
A:“同人ビデオ”という用語は、プロダクションやメーカーが産業としてシステマティックに生産しているAVではなく、個人または数人で作成し流通させている動画で、最近非常に盛んになってきている。このように個人が行っている活動によって被害を受けている相談も増えてきている。
Q:業界団体への要請、要望は何かあるか?
A:被害相談のあったDVD、動画等は直ちに販売・流通停止、削除してほしい、に尽きる。
Q:都内の繁華街など「いちごナビ」など車全体にきらびやかな宣伝を施した大型トラックが走っているが、規制はできないのか?
A:都条例で規制できるはずだと思う。車のナンバーが他地域になっていることが規制できない理由なのか、そこまでは分からない。
Q:契約書に関する規制はできないのか?
A:AV業界団体が新たに導入した契約書を相談依頼者から入手した。よくよく読み込むと疑問に思う点が多々あるが、本日はその契約書を持ってきていないのでこれ以上の言及はできない。
Q:今は誰もが無修正の動画が見られる時代だ。法的規制が必要と思うが、どう考えるか?
A:今、最も規制が求められるのは“生本番、生中だし”だと考えている。
また、日本の業界だけの問題ではなくグローバルな問題として取り組んでいかなければならないと考えており、グローバルな連携を模索している。
Q:被害者家族と出演者本人とに考え方の違いがあった場合はどう対応しているのか?
A:家族の葛藤として、親は娘にAVを辞めて欲しいと言い、娘はAV女優として生きていくという相談は来ている。娘本人に辞めなさいとは絶対に言わない。親に対しては、今後の関わり方を中心にして相談にのっている。
Q:相談依頼者以外の家族の被害はあるか?
A:娘のAV出演により、転居を余儀なくしたり、家族間の亀裂が生じたりする問題がある。当事者が自死した家族からの相談も複数寄せられている。
Q:地方からの相談者対応に関しては、地方にも協力者がいるのか?
A:地方に相談拠点を作って対応している地域もあるが、地方に拠点を作っていくことは私たちにとって大きな課題だ。
アンケートにも皆さんよく協力してくださり、貴重なご意見を頂きましたが、紙面上割愛いたします。
また、来月も下記の日程、内容で活動報告会を実施いたします。第一回とは少し異なる内容で開催する予定ですので、第一回にご参加された方も是非ご参加ください。
《 第2回ぱっぷす活動報告会 》
「アイドルへの憧れとその落とし穴」
2015年に自殺したアイドルの少女の遺族が松山地方裁判所に損害賠償を訴えたニュースが10月に伝えられました。アダルトビデオの問題はからんでいなくても、労働条件は限りなくブラックであったようです。今回のぱっぷすの報告会では、アイドルやタレントにあこがれる少女や若年女性たちがどのようにしてアダルトビデオの撮影に意に反して引き込まれていくのか、そしてそこから抜け出すためにどのように支援しているかをお伝えします。
日時:2018年11月22日(木曜日)19:00~20:30
場所:渋谷男女平等センターアイリス 1号~3号会議室
(東京都渋谷区桜丘町23-21 渋谷文化総合センター大和田8階)
最寄り駅:渋谷駅南口より徒歩5分
参加費:無料 定員:30名
申込方法:応募フォーム https://goo.gl/forms/aCYuJ1agZrbFfm972
もしくは、paps@paps-jp.orgまでお名前とご所属先をお送りください。
〈 ぱっぷすのサポーター会員募集 〉
ぱっぷすの相談支援体制の充実と被害を無くすために是非ご協力をお願いします。
① PAPSのホームページ(http://paps-jp.org)からクレジットカードで寄付
※領収書をご希望の方はお問い合わせフォームからご連絡下さい
②毎月継続的に寄付する(寄付方法は①と同じ)
1か月1000円から(学生さんは300円から)任意の金額を毎月クレジットカードで
※金額の変更・寄付の停止はいつでも可能です。
③毎年継続的に寄付する 6000円から任意の額を毎年クレジットカードで寄付
※寄付方法、金額の変更、寄付の停止方法は②と同じです
④PAPSの口座に郵便振り込み又はゆうちょ銀行で任意の額を寄付する
郵便振替口座:団体名 ポルノ被害と性暴力を考える会 口座番号:00190-3-565606
銀行振り込みの場合:銀行名 ゆうちょ銀行 金融機関コード 9900 店番 019 預金種目 当座 ←当座です 店名 :〇一九 店(ゼロイチキユウ店) 口座番号: 0565606
振込先受取人名:ポルノヒガイトセイボウリヨクヲカンガエルカイ
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