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PAPSメルマガ vol.74 第4回 ぱっぷす活動報告会のお知らせ


 ぱっぷすは2009年に啓発活動の団体として発足しましたが、2012年に寄せられた「助けて」のメールから、日本国内の性的搾取の相談支援活動を開始しました。相談支援を通じて、性的搾取は様々な問題が絡み合いながら起きていることがわかりました。性的搾取に関わる事業者はファンタジーと称して莫大な利益を上げる一方で、現実は若年女性の大きな代償を伴っていることも見えてきました。ぱっぷすでは、みなさまのご支援を財源にして、日本国内から性的搾取を無くすために、日々様々な課題に取り組んでいます。今回の活動報告会は、相談支援を通じて新たに見えてきた課題と、課題解決のための新しいアプローチについてみなさまと一緒に考えていきたいと思います。

<第4回 ぱっぷす活動報告会『削除要請という新しい形のソーシャルワーク方法論』>

日 時:2019年08月31日 18時30分~20時まで

場 所:渋谷男女平等ダイバーシティセンターアイリス

住 所:東京都渋谷区桜丘町23−21 8階

申込方法:

参加申込フォーム https://forms.gle/rHjL7bnKFsZmz9H5A

メールアドレス  paps@paps-jp.org

FAX      03-6304-2564

<若年女性が被害に遭わない仕組みを考える>

 特に、10代の方が巻き込まれやすいのは、性的な写真を送付してしまった、盗撮され拡散したなどののスマホに関わるご相談が多く寄せられます。10代の方の場合、相談したら親に迷惑がかかるのではないか、学校に知られて迷惑がかかるのではないかと恐れて相談できずに抱え込まれてしまう方も多くおられます。

 10代20代は好きな人や興味がある人との距離の取り方について悩み苦しまれている時期で、大人からいえば、みなさん通ってきた道でもあります。何が被害かわからないと、何が加害になるのかわからないときがあります。例えば、性的な写真を送ってしまった私が悪いのではないかと思われる方もいます。「自撮り」という言葉では、自撮りした側が責められるように思われますが、実際は写真を要求した側が問われる問題でもあります。あなたのことがもっと知りたいからということで、性的な写真を送ってほしいと言われ、その人に断ると申し訳ない気持ちになって、はじめのうちは個人情報が特定されないように細心の注意を払い性的な写真を送りますが、SNSのトーク履歴をスクショしたものを学校にばらまくと言われ、さらに過激な性的な写真を求めてきます。

 若年者の性的搾取が可視化しづらい要因のひとつに、たとえ被害を受けたとしても、絶対に家族に知られたくないから誰にも相談できずに苦しまれている方が多くいることも垣間見えてきました。現在、若年者が困ったときに安心して相談や支援を受けられる仕組み作りが急務です。

<削除要請という新しい形のソーシャルワーク方法論>

 現在、性的な画像記録が拡散された方たちの被害及び名誉回復の手段として、インターネット上に拡散した動画及び画像等の削除要請を行う必要があります。現行の制度では被害者自身が当該画像等を探し出して、関係機関やプロバイダに削除要請する必要がありますが、相談者が自らネット検索して、これらの画像や動画を探し出すことは、精神的にも辛いことから、なんとかしてほしいとの要望が多く寄せられました。

 2017年12月からぱっぷすでは、性的画像等記録の削除請求のうち一部の業務をアルバイトに依頼し、その費用を相談者にご負担いただく形で削除要請業務を続けるうえで、この事業が社会的に必要とされていることがわかってきました。

この度PAPSでは、削除要請に関する助成金を得ることができ、実験的に2019年6月~2020年3月までの間、無料・非営利で削除要請を行えるようになりました。しかし、複数の相談者は、PAPSにたどり着く前に、削除業者や荒稼ぎする弁護士に依頼してしまったことで多額の請求をされるなどの新たな問題も垣間見えてきました。来年4月以降もソーシャルワークの新しい形として、相談者の負担が限りなく少ない削除要請のための仕組みづくりを作っていく必要に迫られています。


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