こんにちは。ぱっぷすスタッフのクマちゃんです。新しく仲間になってくれたきゅーりちゃんが書いた『歌舞伎町で”案件”をしていた頃の私へ』を読んで、私自身のことと、私がぱっぷすの活動を通じて出会ってきた女の子とのことを伝えたくなりました。
私は暴力が支配する家庭で育ちました。父から「お前なんかいなきゃよかった」と言われ、母からも「生まなきゃよかった」と言われてきました。虐待について書いた本に「虐待には4種類がある」と書いてあって、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクトに分類されているらしいけど、私の親は全部やってきた。学校でも「お前なんか死ね!」っていじめられていたから、私には安全な場所がなくて14歳の時に家出をした。
家にも学校にも居場所がない私。はじめて必要としてくれたのは、若い女の身体を求める男たちでした。金を払って未成年の私に性交を求めた男たち。黙って天井をみていれば行為は終わる。親の機嫌次第で殴られてきた私は、安全を感じる感覚が狂っていて、男たちから殴られないだけで「安全だ…」と感じていました。自分の身体を売りさえすれば、必要とされている感覚が得られるし、殴られない安全な場所で眠れる。あの頃の私に「自分を大事に」「危ないよ」とか言われても「は?????」って。
お前になにがわかる?
あれから10数年の間にいろいろあって、今はぱっぷすのスタッフとして歌舞伎町で女の子のためのカフェを開いています。歌舞伎町という町に沼ってしまう女の子たちの声に耳を傾けるのが私の役割。絶対に忘れたくない女の子がたくさんいる。
夏ごろに出会った女の子は12歳だった。
アウトリーチ(夜回り)活動で声をかけたときは中年男性と話していた。
あの子、このままだと買われる。時計は21時をまわっていた。
声をかけて話をすると「おうちに居場所がないのに、なんで帰らなきゃいけないの?」私は返す言葉がなかった。彼女の腕はリストカットの傷だらけだった。
「虐待から逃げてきた子どもの気持ちなんて、大人はわかってくれない!!!」
16歳の女の子は一生懸命、自分の気持ちを言葉にしてくれた。「家に帰れと言われても、安心できる家じゃない私はどうすればいいの。」「誰もわかろうとしてくれない。」と話してくれた。あなたが優しい子で、私たちにも気遣っていて、飲み物を渡しても遠慮する様子に胸が締め付けられた。「逃げることがSOSだった。私の最大限のSOSをあなたには受け止めてほしい」
私たちのカフェの常連だった女の子はオーバードーズを繰り返して、救急車でなんども運ばれた。きっと30錠ぐらい市販薬を飲んでいたと思う。私も同じことをやっていた時期があって、3日間、意識がもどらなかったことがある。「ママの誕生日にね、私と妹でケーキを作って待ってたの。」話しぶりから家族を大切に思っていることが伝わってくる。「けど、ママ、帰ってこなかった!ははははは!!!笑」すべてを忘れたくなる感覚。わかるよ。
年末のある日、若者支援を行う団体の知り合いから「この子と会ってほしい」と頼まれて出会った女の子は14歳で、服も髪もボロボロで、顔から表情がなくなっていた。
「私ね、クリスマスイブにね、トー横にお父さんが来てくれて、んなんだろう?と思ったら『お前はもう帰ってくるな!!』だって。乾いた笑いしながら「びっくりだよね。親に捨てられちゃった。笑」他のスタッフは驚いていた。あの時は言わなかったけど「(そういう親
っているよね…)」と思った。だって、私の親も同じだから。
私たちのカフェで過ごしている女の子たち。
今にも消えそうな子ばかりで、もう会えないところに逝ってしまった子もいる。
かつての私と同じ瞳をしているから、どうしても放っておけない。
その想いが強すぎる私がPAPSで働くことに波風がたつこともあった。それでも、あの瞳の子たちがおしゃべりできること、人と出会えること、安全に過ごせることを叶えたかった。歌舞伎町のなかに安全な場所があるって、本当に、命綱になるから。
きゅーりちゃん、私と出逢ってくれてありがとう。あなたは大人のことをよくみていて、優しすぎるくらい優しいから心配になる。またご飯にいこう。食べたいもの、考えておいてほしい。これからも一緒に生きたい。
「また会おうね」を繰り返して、私たちはなんとか生きている。 ▼メルマガVol,135「歌舞伎町で"案件"をしていた頃の私へ」 ▼メルマガvol,137 「君の笑顔が嘘なの知ってるよ」歌舞伎町の私の仲間たち
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