
- 2021年12月7日
メルマガvol.114「黙るしかなかった私が『わたしは黙らない-性暴力をなくす30の視点-』を読んで」
2021年10月に合同出版から『わたしは黙らない-性暴力をなくす30の視点-』という本が出版された。この本を書いたのは性暴力をなくそうとする34名の活動家や専門職、ジャーナリスト、研究者たちだ。ぱっぷす代表の金尻カズナも「AVという性暴力」(p72-75)というテーマで寄稿している。2021年現在の性暴力の現状や課題、過去からの学び、世界の動き、今後の展望などを見渡すことができる地図のような本だ。 ぱっぷすスタッフの私がこの本を手に取ったのは、金尻が寄稿していることと、タイトルの「黙らない」という言葉に惹かれたからだ。私は性暴力について「黙ってきた」人間だ。黙ったままで平穏無事な生活を送ることができたら、ぱっぷすには来なかっただろう。性暴力によるダメージを自覚するのに20年近くかかってしまった。「女として見られてるってことじゃん」「このくらいで大騒ぎするの、ダサいよ」「減るもんじゃないし」など、被害者の口をふさぐ言葉が10代の自分に浸透していた。行き場のない怒りや無力感、自分を責める声、自分は”汚れている”という感覚、こういったものは35歳の私が
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